「火炎構造」を地層の断面で見ると火炎状の模様だが、現地ではこれに奥行きが加わった三次元で見える個所もある。立体で見ると、この現象の成因がひと目で理解でき、さらにその曲線の美しさにも驚かされる。それを撮りたかったが表現し切れず、二次元的な模様として納めてしまった。
【城ヶ島の火炎構造】
海底に堆積した細かい火山灰からなる層(写真の乳白色の層)がまだ岩として硬化する前に、周辺で火山が噴火すると、荒い粒の噴出物がその上に降り積もる。この状態で地震が発生すると、その振動で上の重たい粒子が下の火山灰層のなかに沈み、下層の火山灰も上層にできた隙間に吹き上がるように侵入する。この「かくはん」のような現象により、火炎状の造形ができ上がる。
大地の営みは、火山の噴火や地震による隆起などスケールが大きなものが目に付きやすいが、それと同時にこんな小さな現象も起きている。