須佐のホルンフェルス 山口県萩市

ニコンD500 VR70-200mmf2.8G ISO200・f10・15秒 晴天 ND1000 2017年6月4日19:09撮影

断崖の下から広角レンズで見上げて撮る構図もあるが、地形の成り立ちがよりわかるこちらから撮ることにした。波の質感を消すために長時間露出の技法を使ったが、通常は300mm相当の望遠レンズを使って10秒を越えるような撮影はやらない。カメラブレのリスクが高過ぎるからだ。傘をかざして風除けにしたり、あらゆるブレ対策を講じて撮った一枚。

【須佐のホルンフェルス】

堆積岩が貫入してきたマグマに触れて焼かれ、岩としての性質から変化することを「接触変成作用」と言う。またそれによってできた岩を「接触変成岩」、または「ホルンフェルス」と呼ぶ。

須佐ホルンフェルスの場合、焼いた張本人のマグマは、現在、背後にそびえ立つ「高山(こうやま)」という山になっている。またここのシンボルである白黒のストライプ模様は、砂岩と泥岩の互層構造である。実はこのあたりは貫入したマグマから少し離れており、熱による変成度としては「ホルンフェルス」と呼べるギリギリのレベルである。

ジオスケープ・ジャパン 地形写真家と巡る絶景ガイド

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コメント

  1. 掛園 浩 より:

    これはホルンフェルスではなく名称は畳岩ではないでしょうか?じゃらんなどの観光のガイドブックには誤ってよく「ホルンフェルス」と記載されていますが、専門誌には、畳石と明記されています。私も間違っていました。

    中国自動車道・美祢東JCTから約20分。北長門海岸国定公園の北端に位置する須佐ホルンフェルスは、約1400万年前のマグマの熱の影響を受けて誕生した変成岩地形です。海底に堆積した砂や泥に、高温の火成岩体が貫入し、その熱で変成作用を受けてできたもので、学術的価値の高い場所となっています。

    難しいことはわからなくても、その灰白色と黒色の縞模様をなす、12メートルもの高さの雄大な景観は美しく一見の価値ありです。ちなみに良く写真で紹介される縞模様の断崖は畳石と呼ばれています。この畳岩は、駐車場から歩いて行くことができます。大自然が生み出したストライプの芸術作品はまさにパワースポットと言えるでしょう。

    • GEOSCAPE より:

      掛園さま
      コメントありがとうございます。ホルンフェルスとは地学用語で、マグマなどに接することで熱変成を受けた砂岩泥岩を指すことばです。なので本来地名として使われるのはおかしいのかもしれませんね。ただこの須佐にある断崖は、その特徴がはっきりと見える好例として知られており、それが広まって自然と「須佐のホルンフェルス」と固有名詞化したのだと思います。元々のあの断崖の名称は畳石なのかもしれませんが、今では須佐ホルンフェルスで通じます。須佐の交差点にある国交省の道案内にも「ホルンフェルス⇒」で出てきます。ただ実はあのストライプは熱変成の度合いとしてはかなり低く、ギリギリホルンフェルスと呼べる程度です。本気のホルンフェルスはストライプの奥の崖あたりになるのですが・・。

  2. 掛園 浩 より:

    これはホルンフェルスではなく名称は畳岩ではないでしょうか?じゃらんなどの観光のガイドブックには誤ってよく「ホルンフェルス」と記載されていますが、専門誌には、畳石と明記されています。

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