礫岩と砂岩の互層からなるこの岩は、地学的には何の価値もないのかもしれないが、カメラマンとしては、その造形性の奇抜さに強く惹かれる。カメラマン用語で言うところの「写真になる」岩で、連続した海食洞が奇景のもととなっている。当日は快晴でコントラストが強く、岩の縞模様や細かいニュアンスなどは、撮影後の画像処理によって描写した。
ちなみに「写真にならない」地形もある。大断層の露頭などは、写真的には限りなく無表情で、解説文がないと成り立たないように思う。今はそう言った被写体を後回しにしているが、地形を扱う以上、いつかは対峙することになる。「ジオスケープ」としてどうするのか?思案中の課題だ。
【本山岬のくぐり岩】
宇部層といわれる新生代の地層からなり、礫岩層と砂岩層の縞模様がきれい。海食洞の天井は将来的には波食によりなくなってしまい、いくつかの岩塔が並ぶ景観になる。
※くぐり岩は干潮時にしか行けないので、出発前には潮位の確認を。