この岩の愛称は「虎岩」だが、チャート特有のツルッとした質感と縞模様から爬虫類でも見るかのような異様な雰囲気がある。それを魅力として見せるには、岩肌が濡れている方がいい。雨の日なら何の手間もいらなかったが、あいにく天気予報は冬晴れ続き。あらかじめ近くのホームセンターに寄ってバケツを購入し、川の水を岩に掛けてまわってから撮影した。
【大芳川の虎岩】
オレンジ色の層がホウサン虫の死骸などが堆積したチャート層、黒系の層が細かな泥による泥岩層。チャートが堆積するのは、陸から流出した砂泥が届かないような遠洋の深海で、数センチの堆積層ができるのに数万年を要するという。幾層にも重なった虎岩の縞模様が出来るまでには途方もない時間が過ぎていることになる。さらに大陸に付加され、隆起して地上に現れるまでの時間は億の単位になる。