両親が島根県石見地方の出身で、帰省の延長で秋芳洞に行ったことがある。小学校高学年だったと思うが、この百枚皿に感激し、当時お土産で流行っていた三角形の「ペナント」を買って部屋にずっと貼っていた。四十年ぶりの再訪だったが、私自身の嗜好に変化がなかったのか、2時間近くも夢中で撮影した。よく知られた景観ではあるが、他では見られないその造形には目を奪われる。
帰りに門前の食堂に入ると、その壁には我が家と同じペナントが色褪せて貼ってあった。
【秋芳洞の百枚皿】
地上の石灰岩を溶かした水が鍾乳洞に流れ込むと、再石化して様々な造形物を造る。天井からつららのように垂れ下がる石筍はその代表格。洞内の緩斜面を水が流れるうちに、鍾乳石からなる高さ数ミリの小さな堤ができる。そこに水が滞留することで堤はさらに大きくなり、「リムストーン」と呼ばれる田んぼの畔のような造形を見せることがある。秋芳洞の百枚皿は、それが幾重にも連なり棚田のような広がりを見せている。
この写真を撮った後にも何度か訪れているが地下水の水位の低下が気になる。