原尻の滝の上にかかる天の川。周囲には町明かりがなく、星空観察に最適な環境。晴れた夏の夜には多くの写真愛好家が滝の周囲に集う。滝を照らす明かりはその写真愛好家によるもの。
滝上部の岩場に広がる甌穴群も見事。
滝上部の甌穴の造形と溶結凝灰岩の岩肌。黒い扁平形をした模様は、火砕流に含まれていた軽石が熱と自重で潰れてできたもの。溶結凝灰岩を見分ける手掛かりのひとつになる。
【原尻の滝】
阿蘇カルデラの中央から東北東に約37km、大分県の豊後大野市に原尻の滝はある。田園を割るように突如現れるその大瀑布は、幅約120m、高さ約20mの馬蹄形をした岩壁に幾筋もの滝を掛けて流れ落ちている。その独特の景観から「東洋のナイアガラ」と言われることもあるという。この滝が掛かる岩盤は、約9万年前に発生したに阿蘇カルデラの噴火によりあふれ出た火山灰や軽石がここに堆積し自らの熱と重さで再融解し固まったものだ。溶結凝灰岩という。阿蘇カルデラから約37km離れたこの場所に、厚さ20mの溶結凝灰岩ができる量の火山灰を降らせた。滝を見上げ、この言葉を反芻するだけで、阿蘇のカルデラ噴火の凄まじさが実感できる。