剱岳 富山県立山町

別山より剱岳の岩尾根  ニコンD500 VR24-70mmf2.8E ISO200・f11・1/800 晴天 2017年9月14日16:35撮影

別山より剱岳の岩尾根  ニコンD500 VR24-70mmf2.8E ISO200・f11・1/400 晴天 2017年9月14日16:19撮影

別山山頂より八ツ峰   ニコンD500 VR24-70mmf2.8E ISO200・f11・1/800 晴天 2017年9月15日7:41撮影

大汝山より真砂岳・別山・剱岳  ニコンD500 VR24-70mmf2.8E ISO400・f11・1/4000 晴天 2017年9月14日9:14撮影

山の写真を撮っていた頃は、「槍・穂高連峰」一辺倒だったので、立山・剱岳には行ったことがなかった。むしろ他の山域に行く時間があるなら、その分穂高に行きたいと考えていた。また当時はアルバイトをしながら写真を撮っていたので、扇沢から室堂までの交通費が高いことも足が向かなかった理由のひとつだ。でも剱岳に憧れがなかったわけではない。当時の山岳写真界は山の険しさを競う面があり、その点では穂高岳は剱岳には勝てないのではと、発表される写真を見て思っていた。ただそれは私自身が穂高岳に険しさを求めなくなったことで、自然解消したが・・・。

今回は地形としての立山・剱岳を見てみたいと思い、はじめて室堂を訪れた。室堂平については、ろくに下調べをせずに来たので、まずは土地を見ることのみを目的とした。家に帰って調べ直すと、案の定、撮り漏れが山のようにあり、また来年出掛けることになりそうだ。

剱岳に関しては、主観的でどうかと思ったが、「日本一険しい山」として地形を撮るつもりで別山に向かった。一の越から雄山に登り、その山頂から見た剱岳が初対面となった。別山から真砂岳にかけての柔らかい山容の奥に、険しい姿を半分だけ見せているその光景は、まさに立山曼荼羅に描かれる「針の山」そのものだ。

昼前には別山に到着し、幸い午後からも「ガスる」ことなく終日晴れで、夜中の星空を含め、翌朝の9時ごろまで光を変えながら剱岳を存分に眺めることができた。「穂高と剱、どちらが険しいか」、それは分からないが、いずれにしても別山からの剱岳は、「険しさ」と言う点において日本の山岳風景のひとつの極点であることは間違いない。

【剱岳】

剱岳の山体は、1億9000万年前に大陸の地下深くでゆっくりと冷えてできた「毛勝花崗岩」からなる。北アルプスのなかでも最古の花崗岩である。その後日本海の拡大と共に現在の位置まで移動し、270万年前から140万年前に掛けて隆起し、地表に現れて標高3000mの立山・剱連峰となった。毛勝花崗岩は剱岳だけではなく、別山、真砂岳から雄山周辺までをカバーする。「花崗岩=風化に弱い=なだらかな山容」と言うイメージがあるが、まさに立山三山から別山がこの公式に当てはまる。剱岳のみが険しいのは、その山頂部に硬質な閃緑岩が少し混じっているからで、その風化への耐性から、標高は維持したまま、山腹の花崗岩のみが激しく浸食されて深い谷を何本も刻んだ。もし剱岳の山頂にこの閃緑岩がなかったら、全山均等に風化浸食の作用を受け、別山と同じようななだらかな山容となっていたのだろう。

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