風紋は風速5~6mの風が吹くとできるというが、何度訪れてもそのタイミングに当たらない。この日は近くの滝を撮影した帰りに寄ってみたが、夏休みの真っ最中だったこともあり、砂丘は足跡だらけだった。ただ発達した低気圧が近いせいで、風が強く吹き始めると、足跡はみるみるうちに埋まり、その後にはみるみる風紋が広がって行った。生き物を見るようなその美しい場面転換に感嘆の声を上げた。もっとも砂粒も激しく舞い上がり、カメラを出せる状況ではなかったが…。風が収まった翌朝、誰よりも早く砂丘にやって来て無傷の風紋を撮影した。
【鳥取砂丘】
鳥取砂丘の始まりは、14~15万年前と推測されている。中国山地には花崗岩が多く露出しており、風化で削られた白い砂が砂丘のもとになっている。それらは千代川によって海まで運ばれ、河口付近の湾内に堆積し、潮流や冬の季節風、海面の高さの変化などが作用し合って沿岸部に厚く積り砂丘となった。