地形の成り立ちを読み解こうと思った時、岩石の種類がわかればかなりのヒントになる。でもそれはかなりの場数を踏んで、様々な岩と地形を見てきた者ができることだと思う。私などが転がる岩に顔を近づけて見ても、岩石名に確証を持てることはほとんどない。
高千穂峡の両岸には柱状節理が見られ、溶岩が流れて冷えたのかと思いたくなるが、でもこの岩が火山岩ではなく溶結凝灰岩であることがわかると、「カルデラ内や深い谷筋に高熱の火砕流がたまってできた」という推測ができる。その火砕流は20kmも離れた阿蘇山からやって来た。
【高千穂峡】
高千穂峡の溶結凝灰岩は、阿蘇カルデラの火山から噴出した高温の火砕流が堆積してできた。車で小一時間掛かる距離の谷に、超高温の火山灰を厚さ100mも堆積させる凄まじい噴火だ。12万年前と9万年前のことなので、それほど前のことではない。一度溶けた火山灰は、再び冷えて固まる際に体積の収縮が起こり、柱状の亀裂を生じさせる。写真の節理は平行ではなく、扇状をしているが、渓谷を歩くとさまざまな節理の模様が見られる。
コメント
岩は美しいけど恐ろしい。いまは平穏ですが、いつかこの様な岩が出来る様な噴火や地殻変動がおきないとは言い切れない地球にいるのだから。
川崎様 コメントありがとうございます。まさにその通りで、今の美しい景観のほとんどが災害クラスの地震、火山がきっかけでできています。それを理解しながら、うまく避けて生きるしかないのですね。きっと…。