「褶曲」を見ると大地のダイナミズムを実感する。かつて海溝の底にたまっていた地層が、幾重にも折れ曲がり、空を背に聳え立っている。その途方もない力技に圧倒されて立ち尽くした。
【嘉陽層の褶曲】
沖縄県名護市・バン崎にあるタービタイト層の褶曲。もともとは、大陸の斜面にたまった土砂が地震などで崩れ落ち、海溝底に再堆積してできた地層(タービダイト)である。海洋プレートが大陸プレートの下にもぐり込む際、大陸の縁にかき取られて折り重ながら付加していく。この褶曲はその際にできたものだ。規模の大きさも魅力だが、個人的には褶曲の美しさに強く惹かれる。